マクアケは国内有数のクラウドファンディングプラットフォームです。新しいアイデアやプロジェクトを実現するための資金調達の場を提供しており、起業家や個人事業主にとって重要な存在となっています。本ブログでは、マクアケの事業概要や業績、成長の鍵となる指標、競合他社など、マクアケを深く理解するための情報をまとめています。マクアケに関心のある方は、ぜひ読み進めてみてください。
1. マクアケ(4479)とは
マクアケとはどのような企業か
マクアケ(4479)は、クラウドファンディングサービスMakuakeを提供する企業です。Makuakeは国内で最も利用されている購入型クラウドファンディングプラットフォームとして知られています。このサービスを通じて、優れた技術や新しいアイデアを持つ企業や個人が資金を集め、製品やサービスを実現することができます。
Makuakeの事業内容とビジョン
マクアケはもともとサイバーエージェントの新規事業としてスタートしましたが、現在は独立して事業展開しています。主力事業はクラウドファンディング事業であり、以下の3つのサービスを展開しています。
- Makuakeサービス: 優れた技術や新しいアイデアを持つ製品やサービスの実現を支援するクラウドファンディングプラットフォームです。
- Makuake Incubation Studioサービス: 企業の研究開発技術を活かして新事業を創出するためのインキュベーションサービスです。
- その他のサービス: Makuakeサービスの運営に関連するECサイト運営や広告配信代行などが提供されています。
マクアケのビジョンは、「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」です。そのために、「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というミッションを掲げています。マクアケは新しいものが最初に見つかり、手に入る場所であることを目指しています。
マクアケの収益源と成長
マクアケの収益源は、Makuakeサービスにおけるプロジェクト実行者からのプラットフォーム利用料や、その他のサービスによる収益です。また、広告費なども一部の収益源となっています。
特にMakuakeサービスを通じて売上高を上げることがマクアケの成長の鍵となっています。マクアケはこれまで成長を続けており、クラウドファンディング市場でのリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
以上がマクアケ(4479)の概要および事業内容と成長についての解説です。次のセクションでは、マクアケの業績・財務状況の分析を行います。
2. 業績・財務状況の分析
マクアケの業績及び財務状況について詳しく見ていきましょう。
2.1 業績の推移
マクアケの売上高は過去数年間で伸び悩んでおり、特に最近では下落傾向にあります。下記の表を見ると、売上高は2016年度から増加し続け、2020年度には前年比で約62.7％増加し21.8億円になっていることがわかります。
また、純利益も同様に増加しており、2020年度には前年比で約270.7％増加し3億3,000万円に達しています。
しかし、2020年度の業績は予測される増収増益の見通しであり、他の指標からも売上の上昇が見込まれるとは言いにくい状況です。
2.2 財務状況
マクアケの財務状況を見てみましょう。最新の決算資料には財務状況に関する詳細な記載はないため、決算短信から数字を抽出して分析しました。
自己資本比率は67％と比較的安定しており、安全性に問題はなさそうです。ただし、この数字はあくまで一時的なものであり、長期的な財務状況を把握するためにはより詳細な情報が必要です。
フリーキャッシュフローはここ2年間はマイナスであり、資金の収支が悪い状況が続いています。この点には注意が必要です。
2.3 業績見通し
2023年9月期の業績見通しを見てみましょう。GMV（応援購入総額）は18,000百万円、売上高は3,840百万円、営業利益は△880百万円の予想となっています。これらの数字は軒並み前年比での下落が予測されており、好ましい業績見通しとは言えません。
中期経営計画に関しては最新の決算で見直しの言及があります。当初はGMV800億円を目指していましたが、現在の業績や外部環境の不透明感により、目標の修正が行われる可能性があります。
ただし、一時的な業績の下落や目標の修正は企業の成長において一般的な試行錯誤の一環であり、将来的な成長に影響を与えるかどうかは別の要素にも依存します。
以上のような業績・財務状況の分析からは、マクアケは一時的な困難な状況にあるものの、財務状況は安定しており、将来の成長に期待が持てる可能性があることがわかります。ただし、業績の回復や成長には外部要因や競争環境の変化にも注意が必要です。
3. 成長の鍵となる指標
マクアケの成長において重要な指標となるのは、以下の点です。
3.1 リピート実行者による掲載開始数の伸び
マクアケでは、実行者によるリピート掲載数が鈍化しつつも伸びていると報告されています。これは、既存のプロジェクト実行者が積極的に新しいプロジェクトを掲載しており、サービスへの信頼が高いことを示しています。また、リピート実行者が増えるにつれて、プロジェクト当たりの決済金額も拡大していることが示されています。
3.2 新規顧客獲得の増加
一方で、注目すべき点としては、新規顧客獲得の増加が同程度に重要であることです。新規顧客の獲得は、マクアケの成長を支える要素の一つであり、既存顧客のリピートだけではなく、新たな市場の開拓も重要です。しかし、現在の情報では、新規顧客獲得に関する具体的な施策や取り組みについては言及が少ないため、今後の動向に注目が必要です。
3.3 会員数の増加
マクアケの会員数は、継続的に増加しています。会員数の増加は、サービスへの関心や信頼度が高まっていることを示しており、新しいプロジェクトや商品に対する支援の可能性が高くなっています。会員数の増加は、マクアケのプラットフォームの価値を高めることにつながるため、成長の鍵となる指標の一つです。
3.4 プロジェクト掲載数の増加
さらに、マクアケではプロジェクト掲載数も増加しています。新しいプロジェクトが続々と掲載されることで、会員の興味を引きつけ、参加意欲を高めることができます。プロジェクト掲載数の増加は、マクアケのプラットフォームの活性化や成長に直結する重要な指標です。
成長の鍵となる指標は、リピート実行者の伸び、新規顧客獲得、会員数増加、プロジェクト掲載数の増加など、さまざまな要素によって構成されています。これらの指標が健全に推移し、相互に補完しあうことで、マクアケの持続的な成長が期待されます。
4. 参入障壁と競合
4.1 参入障壁の分析
クラウドファンディング市場への参入障壁は比較的低いと考えられます。最新の決算には参入障壁に関する特別な言及はありませんが、推定では高くはないと思われます。矢野経済研究所の調査によれば、国内クラウドファンディングの新規プロジェクト支援額は約180,000百万円程度で推移しています。この調査によれば、Makuakeは市場の約1割のシェアを保持していることが明らかになりました。
4.2 競合他社の分析
Makuakeの競合他社としては、CAMPFIRE、READYFOR、BOOSTERなどが挙げられます。特にCAMPFIREはユーザ数が多いですが、株式会社CAMPFIREは上場しておらず、詳細な情報はわかりません。
以下は株式会社CAMPFIREの決算公告まとめです（ただし、正確ではありません）：
- 2022年6月のプロジェクト発生件数：約830件（四半期換算で3,300件）
- 2022年6月の支援金額：約10億円（四半期換算で30億円）
- 2021年12月31日現在の財務状況：
- 資産合計：5,204百万円
- 負債合計：3,308百万円
- 純資産合計：1,895百万円
- 純利益：△20億円
4.3 マクアケの競合との比較
MakuakeのGMV（支援金額）は株式会社CAMPFIREとほぼ同程度と考えられます。売上高の公表はありませんが、テイクレートに関しては分かりません。財務状況では負債の比率が大きいですが、上場していないため比較が難しいです。また、純利益が赤字を計上しているため、Makuakeを含めたクラウドファンディングサービスは利益を上げていないと考えられます。
4.4 参入障壁と競合の課題と解決策
以上から、マクアケや株式会社CAMPFIREのような大手クラウドファンディングサービス以外に参入する際の参入障壁は大きくないと考えられます。ただし、新規参入する場合は既存の競合他社との差別化が求められます。また、ユーザの獲得にも力を入れる必要があります。クラウドファンディング市場は成長が見込まれているため、参入障壁は低いものの競争も激しくなる可能性があります。そのため、継続的なサービス改善とマーケティング戦略の重要性を認識し、ユーザの獲得と維持に努める必要があります。
5. IPO情報
マクアケのIPO情報を紹介します。
価格情報
- 想定発行価格: 1550円
- 仮条件:
- 予想PER: 1500～1550円（49.9倍～51.5倍）
- 公募価格: 1550円
- 初値: 2710円
- 初値騰落率: +74.84%
- 予想トレーディングレンジ: 1450円～3100円
株数などに関する情報
- 発行済株式数（上場時）: 1096万6000株（予定）
- 公開株式数: 公募98万株、売出156万5000株（オーバーアロットメントによる売出38万1700株）
- 想定公開規模: 45.4億円（OA含む）
予想EPSと予想PERの比較
予想EPSから求めた仮条件の予想PERと、同業他社2社の平均PERを比べると、マクアケの公開価格は若干割安であると判断されます。
これがマクアケのIPO情報です。注目されており、市場の動向によっては高い成果が期待される銘柄です。
まとめ
マクアケはクラウドファンディング市場におけるリーディングカンパニーとして着実に成長してきましたが、最近の業績や財務状況には課題も見られます。しかし、会員数の増加やプロジェクト掲載数の拡大など、成長の鍵となる指標は健全に推移しており、今後の持続的な成長が期待されます。また、IPO時の初値上昇も注目に値する動きです。この企業の今後の動向に注目し、市場環境の変化とともに適切に分析していく必要があるでしょう。
よくある質問
マクアケはどのような企業ですか?
マクアケはクラウドファンディングサービス「Makuake」を提供する企業です。Makuakeは国内最大手の購入型クラウドファンディングプラットフォームで、優れた技術や新しいアイデアを持つ企業や個人が製品やサービスを実現するためのツールとなっています。
マクアケの収益源と成長は?
マクアケの主な収益源はMakuakeサービスにおけるプラットフォーム利用料と、広告収入等です。同サービスを通じて売上高を伸ばすことが同社の成長の鍵となります。これまで成長を続け、クラウドファンディング市場でのリーディングカンパニーの地位を確立しています。
マクアケの参入障壁と競合は?
クラウドファンディング市場への参入障壁は比較的低いと考えられます。主な競合には、CAMPFIRE、READYFOR、BOOSTERなどがあり、大手プレイヤー同士の競争が激しくなっています。新規参入の際は既存サービスとの差別化が重要です。
マクアケのIPO情報は?
マクアケはIPOを行い、発行価格1,550円、初値は2,710円で取引を開始しました。想定PERは49.9倍～51.5倍で、同業他社平均より若干割安な水準です。初日の株価は約75%高い水準で推移しています。