企業の基本情報や事業内容、業績推移、財務状況、株価動向などをわかりやすく解説したブログです。長年の歴史を持つ老舗企業の住石ホールディングス株式会社について、株式投資の参考になる様々な角度から分析しています。この企業の概要や強み、課題点などを理解した上で、株式投資の判断材料として活用してみてはいかがでしょうか。
1. 会社概要
住石ホールディングス株式会社は、長い歴史を持つ老舗企業です。1893年の創業以来、鉱業分野を中心に事業を展開してきました。1920年代には住友グループの鉱業事業を統括する持株会社として設立されるなど、グループ企業として重要な役割を担ってきました。
沿革
同社の歩みは以下のとおりです:
- 1893年11月 – 庄司砿を取得し、石炭事業に参入
- 1924年10月 – 坂炭砿株式会社(北海道)の経営に参加
- 1927年6月 – 住友別子鉱山株式会社を設立
- 1950年2月 – 本社を大阪市から東京都に移転
- 1952年7月 – 商号を住友石炭鉱業株式会社に変更
- 1988年10月 – 豪州の炭鉱会社Wambo Mining Corporation Pty.Ltd.に資本参加
- 2002年10月 – 株式会社エス シーエム興産を会社分割により設立
- 2020年10月 – 現在の住石ホールディングス体制に移行
企業情報
- 社名: 住石ホールディングス株式会社
- 本社所在地: 東京都千代田区大手町2-6-1
- 設立年月日: 平成20年10月1日
- 代表者: 代表取締役社長 平野 哲也
- 上場市場: 東京証券取引所 スタンダード市場
- 事業内容: 石炭の輸入販売、先端素材の製造販売、砕石の採取・加工・販売
2. 事業内容
住石ホールディングスは、以下の3つの主要事業を展開しています。
石炭輸入販売
当社は、長年の炭鉱経営で培った豊富なノウハウを活かし、海外から石炭を調達・輸入し、国内外の顧客に販売しています。また、石炭に関するあらゆるサービスの提供にも取り組んでいます。具体的な活動内容は以下の通りです:
- 海外からの石炭の調達および輸入
- 国内外の顧客への石炭の販売
- 石炭関連サービスの提供
人工ダイヤモンド
当社の独自の爆発技術を活用し、高品質な人工ダイヤモンドの製造と販売を行っています。製品は「SCMファインダイヤ」ブランドとして知られ、ハイテク分野の超精密加工に不可欠な存在となっています。主な取り組みは以下の通りです:
- 独自の爆発技術を活用した人工ダイヤモンドの製造
- 「SCMファインダイヤ」ブランドとしての製品販売
- ハイテク産業向けの人工ダイヤモンド供給
採石
砕石の採取、加工、販売を手掛けています。建設分野をはじめ、様々な用途に対応した高品質な砕石製品を提供しています。主な活動は以下の通りです:
- 砕石の採取
- 砕石の加工
- 建設業界を中心とした顧客への砕石製品の販売
これらの事業を通じて海外の石炭会社への投資も行っており、事業ごとに異なる市場環境に応じた機動的な経営を実践し、グループ全体の企業価値向上を目指しています。
3. 業績推移
売上高の変遷
住石ホールディングスの売上高は、過去10年間において大きな変動を見せてきた。2016年3月期から2018年3月期にかけては減少傾向にあったが、2019年3月期には大幅に回復した。その後、2020年3月期と2021年3月期は再び減少したものの、2022年3月期にはわずかながら増加に転じた。そして、2023年3月期は大幅な増収が見込まれている。
利益の推移
営業利益、経常利益、当期純利益についても、売上高ほど大きな変動はないものの、増減を繰り返している。2019年3月期には大幅な増益となったが、2020年3月期と2021年3月期は減益に転じた。2022年3月期は小幅な増益となり、2023年3月期はさらなる増益が見込まれている。
主要指標の推移
- ROE (自己資本利益率)は、2019年3月期に一時的に上昇したものの、その後は低下傾向にある。
- ROA (総資産利益率)も同様の推移を示している。
- 売上高営業利益率も、2019年3月期に一時的に上昇したが、その後は低下傾向にある。
以上のように、住石ホールディングスの業績は近年大きな変動を見せており、2023年3月期は大幅な増収増益が見込まれている。しかしながら、主要な業績指標はまだ十分な水準に達していないことから、今後の事業展開と業績回復が注目されるところである。
4. 財務分析
企業の健全性や経営効率性を把握するためには、財務分析は重要な指標となります。住石ホールディングスの財務分析を行っていきましょう。
収益性分析
まず、収益性を示す指標としてROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)を確認しましょう。
ROEは近年18%前後で推移しており、目安の10%を大きく上回っています。これは高い収益力を示す数値といえます。
一方、ROAも14%前後で推移しており、こちらも良好な水準にあると評価できます。
つまり、住石ホールディングスは高い収益性を維持していると言えるでしょう。
安全性分析
次に、企業の安全性を示す自己資本比率を見てみます。
自己資本比率は84.7%と非常に高い水準にあります。一般的な目安の30%を大きく上回っており、財務の健全性が高いといえるでしょう。
効率性分析
最後に、効率性を示す指標として総資産回転率を確認します。
総資産回転率は0.A%となっています。この数値は、同業他社と比べると必ずしも高くはありませんが、業界の特性を考慮すると経営効率は優良であると評価できます。
以上の財務分析から、住石ホールディングスは収益性、安全性、効率性の全てにおいて良好な状況にあると言えるでしょう。企業体質は非常に健全であると評価できます。
注意点
ただし、財務分析には限界もあります。例えば、キャッシュフローの状況や株主還元の水準なども合わせて確認する必要があります。
また、企業価値の評価には、定量的な分析だけでなく、事業内容や成長性、経営陣の力量など、定性的な要素も重要です。
住石ホールディングスの株式投資を検討する際は、財務分析だけでなく、様々な角度から総合的に判断することが肝心です。
5. 株価と配当
株価の推移
この企業の株価は過去10年間で着実に上昇してきました。10年チャートを見ると、堅調な上昇傾向が続いているのがわかります。直近の6か月チャートでは、一時的な横ばい局面もありますが、全体としては上昇基調が維持されています。
主要な株価指標
主要な株価指標を確認すると以下のとおりです。
– PER (株価収益率): 24.41倍 (予想PER 15.70倍)
– PBR (株価純資産倍率): 3.62倍
– EPS (1株当たり純利益): 70.40円 (予想110.81円)
– BPS (1株当たり純資産): 480.74円
– ROE (自己資本利益率): 18.19% (予想23.05%)
– ROA (総資産利益率): 14.03% (予想19.53%)
PERは適正水準とみなされ、PBRも1倍を超えていることから、株価は適正水準にあると判断できます。また、ROEが10%を上回り、自己資本比率も高水準にあるなど、経営の健全性も高いと評価できます。
配当
過去10年間の配当実績を見ると、近年の配当利回りは2.5%前後で推移しています。2022年3月期まで3円の配当でしたが、2023年3月期は5円に引き上げられました。最新の予想では7.50円の配当が見込まれており、配当性向も適正な水準を維持しています。
この企業は長期的に株主還元を重視しており、安定配当に加えて自己株式の取得も行うなど、株主還元の強化に努めています。
まとめ
以上のように、この企業は業績も堅調で、株価水準も適正であると評価できます。安定的な配当も魅力的で、長期投資や配当取得の観点からも有望な銘柄だと考えられます。ただし、企業規模が小さいため、短期的な株価変動リスクにも留意する必要があります。総合的に見て、この企業の株式は長期的な投資対象として検討に値するものと思われます。
まとめ
住石ホールディングスは長い歴史と豊富な事業ノウハウを持つ老舗企業です。石炭輸入販売、人工ダイヤモンド、採石と3つの主要事業を展開し、安定した収益性と財務の健全性を維持しています。株価も長期的な上昇基調にあり、配当利回りも魅力的です。総合的に見て、この企業の株式は長期投資の有望な選択肢と言えるでしょう。ただし、短期的な株価変動リスクにも留意が必要です。今後の事業展開と業績回復に期待が高まる企業といえます。
よくある質問
住石ホールディングスの事業内容は何ですか?
住石ホールディングスは、石炭の輸入販売、人工ダイヤモンドの製造販売、砕石の採取・加工・販売の3つの主要事業を展開しています。石炭事業は同社の伝統的な事業分野であり、人工ダイヤモンドと砕石事業は近年強化されています。これらの事業を通じて、同社はグループ全体の企業価値向上を目指しています。
住石ホールディングスの業績はどのように推移していますか?
同社の売上高は過去10年間で大きな変動を見せてきました。2016年から2018年にかけては減少傾向にありましたが、2019年には大幅に回復しました。その後、2020年と2021年は再び減少したものの、2022年は小幅な増加に転じています。一方、利益面では2019年に大幅な増益となりましたが、2020年と2021年は減益に転じました。2022年は小幅な増益、2023年は大幅な増収増益が見込まれています。
住石ホールディングスの財務分析結果はどうですか?
財務分析の結果、同社は収益性、安全性、効率性の全ての指標において良好な状況にあると評価できます。ROEやROAなどの収益性指標は目標水準を上回っており、また自己資本比率も極めて高く、財務の健全性が高いことがわかります。総資産回転率も業界水準に照らして優良な水準にあり、経営効率性も優れています。
住石ホールディングスの株価と配当はどのような傾向ですか?
同社の株価は過去10年間で着実に上昇してきており、株価水準も適正だと評価できます。PERやPBRなどの指標も適正な水準にあります。また、配当利回りは2.5%前後で推移しており、2023年3月期には配当額が引き上げられる予定です。同社は長期的に株主還元を重視しており、今後も期待できる銘柄だと考えられます。ただし、企業規模が小さいため短期的な株価変動リスクには留意が必要です。